忙しい病院の現場。人員を増やすと、利益は減るのか?(答えはNO)

経営数字力を身に着ける

忙しい病院の現場、師長からは人を増やしてくださいという訴えが絶えません。しかし人件費は固定費。季節変動がある病院では稼働率が落ちると固定費が経営を圧迫します。人は何人まで入れてよいのか、給料ボーナスはいくらまで出せるのか。そんな疑問にお答えします。

人件費を増やしながら、病院の利益を増やすことは可能か?

従業員のモチベーションを高めながら、病院の経営を改善する方法はないだろうか…。

そんな想いを持つ責任者さまのために、この記事を執筆しました。

もし、下記にあてはまるならば、知っておいて損のない経営ノウハウをお伝えするので、最後までお読みください。

※この記事の対象者(病院経営にかかわる責任者さま)
・看護マネージャー、看護部長
・事務長、事務局長
・室長、部長、課長、主任
・院長、理事長など

 

「お願いだから、人員を増やしてください」

看護部長や事務長など、責任者になると、必ずと言ってよいほど、スタッフから「忙しすぎて手が回らない」「人を増やしてほしい」と懇願されるものです。

現場経験のあるあなたならば、彼らの気持ちは十分に理解できるでしょう。しかし、責任者の立場からすると、そう簡単にOKをだせませんよね。

人件費の増加は、経営数字に大きく影響します。病院からすれば固定費が増えるので、万が一、売上が減ってしまったら利益は激減し大変なことになります。そのため、安易に人は増やせません。

だからこそ、多くの場合「今のメンバーで、なんとか頑張って欲しい」と伝えることになりますが、現場の不満は募る一方…。

この問題は、多くの病院で発生しており、経営側と現場のせめぎ合いの原因になっています。あなたも、似たような経験はありませんか?

 

どうやってこの問題を解決するのか?

結論から申しあげると、あるスキームを取り入れると、この問題は解決へ向かいます。「人件費が増えても利益が増える経営戦略」を考えられるようになるのです。

ここでいう人件費とは、人材の拡充にかかる費用だけではありません。従業員のボーナスアップのように、既存従業員への還元も含まれます。

つまり、「人が足りないので増やしてほしい」というスタッフの要望を叶えるだけではなく、「努力すれば報われる職場環境」を作ることができます。

わたしは、30年以上にわたる病院勤務でICU部長、看護部長、事務局長、副院長を経験してきました。

そして、現在は病院専門の経営コンサルタントをしていますが、多くの病院が、「がんばっても報われない職場」に陥っています。その結果、従業員のモチベーション低下や離職率問題に悩んでいます。

ぜひ、人の問題を解決する手段の1つとして、今からお伝えするスキームを実践していただければ幸いです。

 

労働分配率をご存知ですか?

「労働分配率」とは、経済学用語のひとつですが、これを正しく理解し、経営に活かせている病院は多くありません。

労働分配率を採用していたとしても、数字の分析にのみ使われているだけです。つまり、決算報告で「前年度は労働分配率が50%だった」という感じで使われているだけなのです。

これは非常にもったいない。なぜなら、労働分配率は、過去の数字を分析するだけではなく、未来の数字を決めるうえでも使えるスキームだから。

わかりやすく述べると、「労働分配率」を使いこなせば、売上が増えた際、病院の利益を増やしながら、人件費を増やせる「お金の賢い使い方」を、予め設定できるようになります。

別の言い方をすれば、病院の利益を増やしながら、人件費が増やせる絶妙なラインを設定できるということ。

詳しくは、わたしが無料で公開しているセミナー動画でお伝えしておりますが、病院の利益を40%増やしながら、人件費を10%アップさせるシミュレーションも可能です。

つまり、もし、ボーナスが給料の10%ならば、従業員対して、ボーナス1回分を増加して還元できることになります(それでも、病院の利益は40%アップ)。

具体的なシミュレーションは、ぜひ、無料のセミナー動画をご視聴ください。

 

 

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10の方法

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健康的な危機感を教育する上でも有効

「労働分配率」を正しく使いこなせば、人件費が増えても利益が増えるという、理想的なバランスを描けるので、人手不足の問題に美しく対処できるようになります。

メリットは、それだけではありません。従業員に対して、「病院の利益を伸ばす動機づけ」が可能になります。

なぜなら、労働分配率を使いこなすことで、従業員に対して「頑張れば報われる職場」「業績が伸びれば、従業員に還元される職場」というメッセージを伝えられるから。

また、労働分配率を設定していると、業績が伸びれば還元されますが、業績が落ちると人件費は下がってしまいます。

そのため、従業員へ健康的な危機感を持ってもらえるメリットもあります。

「業務には真面目だが、経営のことになると非協力的」という従業員に悩む責任者は多いですが、この問題を解決するうえでも「労働分配率」はとても有効。

以上になりますが、ぜひ、経営数字について理解を深め、よりよいマネジメントに努めて頂ければ幸いです。

もっと詳しく知りたい方へ

わたしは、これまでに病院専門の経営コンサルタントとして、看護部長、事務長、院長、理事長、室長など多くの責任者を指導してきました。

この経験から、責任者が経営数字に明るくなることで、経営問題が改善された事例は数えきれません。

もし、病院経営改善やマネジメントを真剣にお考えであれば、弊社が無料公開しているセミナー動画をご視聴ください。

今回お伝えした「労働分配率」の話をもっと詳しく学ぶこともできますし、他にも病院の経営数字改善のヒントをたくさんお伝えしております。

 

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・人件費の上限がすぐにわかる労働分配率の話
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・自己主張ばかりの人たちを根底から変える方法
・病院の決算書をカンタンな図にする方法
・3つの数字を改善して利益を伸ばす方法
・自主的に動くスタッフを増やすには?
・人を動かす思考の型
・職場の生産性を上げる有効な方法)
・「なにをやるか」より「どうあるか」で成果が変わる理由

 

 

執筆者

TEPPEI SUGIURA

株式会社メディテイメント

代表取締役  杉浦鉄平

30年以上にわたる病院勤務(臨床15年、看護部長10年、事務局長5年)と、病院コンサルタント経験で培った、病院経営における人、モノ、カネすべての問題を解決するメソッドを体系化。このメソッドをより広く普及させるためにメディテイメント株式会社を設立。また、セコム医療システム株式会社顧問に就任。「病院再生コンサルタント」として、多くの病院の組織変革を実行し、高い評価を得る。現在は、コンサルティングと同時に、病院管理者研修、病院の意図を理解し、自律的に行動する医療経営人財を育成する「医療経営参謀養成塾」を運営。

 

 

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